もう定番になった市内探索の日曜日。
だがこの日はいつもとわずかに違っていた。
「おはようございます。長門さん。」
「…。」
1番に来ていた長門は古泉に小さな会釈を返す。
「…?」
その様子に古泉は僅かな違和感を感じた。
だが確信もないので言及することを避けた。
必要な事であれば彼女の方から言い出すだろう。
そう思っていると、団長のハルヒがたどり着いた。
その腕にはみくるが引っ張られていた。
それを見て、古泉はまだ来ない彼のことをふと考えた。
(今日も彼が奢りか。いつものこととはいえ彼も災難だな…。
財布事情も穏やかじゃあないはずだし、そうだ。
今度適当に理由つけて一緒に食事にでも…。)
「おっはよー!そこでみくるちゃんに会っちゃって!」
「おはようございます涼宮さん、朝比奈さん。」
などと考えてる事はおくびにも出さず、古泉はいつも通りの笑顔で対応した。
「さ、今日はこれで全員ね。」
「え?」
「え、ええ?」
ハルヒの意外な言葉は古泉とみくるを驚かせた。
「あの、涼宮さん。キョン君がまだですけどぉ…。」
疑問を先に口にしたのはみくるだった。
それにハルヒはやや憮然として答える。
「あいつは親戚の集まりですって。
こっちを優先しろって言ったけど今回はどうしてもダメってしつこいから、
ペナルティつきで許してやったの。」
(それでも許したのか。
彼がそこまで食い下がるなんて珍しいな…。)
そう思いながら、いつも通り喫茶店でくじ引きをして。
古泉は長門とペアを組む事になった。
「長門さん、ご存知だったんですね?」
「…彼の欠席の事なら、そう。」
最初に長門日曜日感じた違和感はこれだったかと古泉は妙に納得する。
彼女も寂しかったんだろうなと。
「…不思議なものですね。
僕たちは涼宮さんを中心に集まったはずなのに。
いつの間にか彼を軸に考えている。」
「…否定はしない。」
「ふふ、しないんですか。」
できないではなくて。
そう思いながら。
今日は来なかった彼をどこか探していた。
end
ぐだぐだのまんまですね。 キョンのいない活動の日でした。
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